チケット制の落とし穴
石岡市の理容室と美容室の夫婦サロンLegareレガーレです。
美容室で最近よくありますよね。
1年間リタッチ染め放題
白髪染め12回分の料金で14回分行ける
値段だけを見るとお得。まめに行きたい方にとっては魅力的な提案。
なんですけど、値段をお得にするとお店側は儲からないはずですよね?
でもこれが利益につながる仕組みになっていてそのやり方が昔から好きじゃないんです。
今日はチケット制についてお話していきますね。
目次
Legareに届いたお客様の声
先日、サロンに来られたお客様からこんなお話を聞きました。
「今まで行っていたお店が、白髪染めのチケット?リタッチチケット?っていうのをやっていて、最初は『安くなる』って言うから1年分まとめて買ったの。何回分かお得だと言われたけど、実際にどれくらい安くなっているのか分からなくて…。
最近、染まっているところと染まっていないところがあって、『チケットだから安い薬使っているのかな?』
て思うこともあったの。でも、やめようかなと思うと『今買わないと損しますよ!』って言われて、結局3年間続けてたんだけどね。。でも正直、もう疲れちゃってお店変えてみようかなと思って来たの…」
とても悲しくなるお話ですよね…。
このお話にはチケット制の悪い部分がつまっているのでそれを順に解説していきます。
支払い方法の違い
- 1年間間分の料金を先に支払うのはいわゆる一括払い。
毎回来店ごとに料金を支払うのはその都度払い。
スマホなどで一括払いか分割払いかみたいなのはありますが、分割払いと都度払いは似てるようで全然別。
一括払いで買ったものを分割して払う分割払い
1回ごとのサービスや施術に対して払う都度払い
理容室や美容室は都度払いの形態がほとんどですね。
本来料金をいただくのは
【今日すごい気持ちよかった!髪型も気に入ったわ!ありがとう!】
【いえいえ!こちらこそありがとうございます】
とサービスを提供されたからそれに対する対価として料金をいただいているから成り立つんです。
当然の流れなんですけど、これを僕達は忘れてはいけないと思います。
都度払いであればその時の施術に対しての満足感を得ながらの支払いとなります。
気に入らなかったら行かなければいいし、満足したならまた行けばいいのです。
チケット制は真逆で一括払いのシステムになります。
サービスを受けその都度払う方法に対して、一括払いは【このサービスはいいものだから信頼してる!だからまとめて未来の分も前払いしますね】ということになります。
画期的な方法に見えますがメリットデメリットがあるんですよね。
チケット制のサロン側
メリット
新規で来られた方が次にリピートするための理由になります。
1年分を前払いしてもらえるので売り上げが一時的に増えます。給料の前借りみたいな感じ(今もあるんでしょうかね…)
ここがお客様側はきっと知らないであろう問題点。
途中で来られなくなった場合でも損しない。
例えば
引っ越して物理的に来れない距離になった
失敗されて行きたくなくなった
嫌な思いをして行きたくなくなった
こんな理由があったとしてもお店側はもう既に払い終わっているので、チケット購入後来店されてもされなくても変化ありません。
極端に言うとチケット購入してもらってその後全く来ない方が嬉しいはず。
なぜならその分予約枠も他の方を確保できるし、料金はいただいているからメリットしかありません。
残酷なようですがこんな考え方のサロン多いです…。
そうじゃなかったら利益出ませんからね。
売ってしまえばこちらのもん状態なんです。
デメリット
先に料金をいただいたため、もし通い放題の場合は毎日来店されても無料なわけです。
毎日カラーをする方はまずいないとは思いますが、月に2回もしくは週に1回来られる方も中にはいるかもしれません。(ダメージと頭皮への影響からオススメはしませんよ)
言い方はとても悪いですが、カラーチケット購入された方は来れば来るほど予約枠が無駄になります。
10回分の料金で12回分が買えるパターンはまた少し違うのですが、来店周期が長くなればなるほど使い切らないで終わる場合もあります。
すると前払いで払っているのに使用期限切れ…という可能性も出てしまうんですよね。
まぁ使い切ってしまえばまた次も購入してもらえればさらにサロンの売り上げになるので、回数券の場合はいっぱい来てもらうのはそこまで問題になりません。
あえて言うなら期限いっぱいまで有効に使われると損かなと。
実際はその後もリピートして買ってもらうために大切なお客様のはず。なんですが、1年間の売り上げだけを見ると予約枠を空けたほうが手元にはお金が残ります。
そしてまた違う方にカラーチケットを買ってもらう。
長期的に見ると得してるのかどうか…
チケット制のお客様側
メリット
もちろん1番のメリットは安い料金で受けられます。多分これ以上のメリットはありませんよね。
1回10,000円のサービスが100,000円で12回
1回10,000円のサービスが120,000円で1年間通い放題
出費を抑えたい場合特にありがたいサービスです。
ここに生涯通い続けたい何があってもお店を変えない!という決意がある場合はとても大きなメリットです。
デメリット
まず、ひとつ目は回数券の場合は消費しきれない場合がある。
期限内に残ってしまったら完全なただのゴミに…。
毎月必ず同じ期間で通えるならいいですが、通えなくなったときは大きく損をします。
次にふたつ目は払い戻しが効かない場合がある。
例えば1月にカラーチケットを購入して、突然2月に移転もしくは閉店して通えなくなった。
その場合1年間分のチケットはまた無駄になります。購入前に払い戻しの条件や期間などを確認してからでないとトラブルの原因になるので注意です。
そして一番大きいのは不満があったりした場合残りの期間(残りの券)をどうするかです。
カラーが失敗したり嫌な思いをしてまで、サロンに通い続けたい方はいないですよね。
だけど買っちゃったから行かないと…と今回のお客様のパターンになってしまいます。
もちろん引っ越したりしてしまう場合も使えませんね。デメリットをよく理解して説明も受けた上で購入された方がいいですね。
理美容室独自のチケットの問題点
ここまではどの業界でも通じるチケット制の問題点。
ですが、理美容サロンだからこその問題点もあります。
カラーチケットを購入したことがある方はご存知かもしれません。
例えばリタッチメニュー
リタッチ 7,000円
1年間リタッチ通い放題 5,0000円
となっていたらリタッチ通い放題は得じゃん!安いじゃん!やったね!これで50,000円今払えば1年間料金かからないのね!?
と思って購入しようと悩んでいる方…残念ながらそんなに甘い話はありません。
①リタッチチケットはリタッチのみ
大体こういうチケットはリタッチチケットとかが多いんですけど、リタッチはリタッチしかできません。
リタッチ=根元のみのカラー
染めて根元から出てくる黒、または白髪を染める施術。ですが、1年間ずっとリタッチだけでは色がおかしくなります。毛先が褪色して明るくなるからですね。
そのため
同じ色で塗る→根元と毛先の差が重ねると出てくる
毛先に根元を合わせる→どんどん明るくなる
のどちらかを選ばなくてはいけない。
詳しくは以前書いたこちらの記事で解説中です
→リタッチメニューがないのはなぜ?
リタッチだけでは色が合わない
=毛先も染めて全体染める
=リタッチ料金では無理なので追加料金がかかる
リタッチ料金があるお店は毛先まで染めると追加料金がかかるのは当然なので、何回かに一度はリタッチチケットだけでは無理ですね。
目安は2回、もしくは3回に一度は毛先も染めた方がいいです。
ちなみにLegareはリタッチ料金ありません。
それも含めて解説してるので読んでみてください。
②別料金でブロー料金がかかる場合あり
これもリタッチと同じで美容室あるあるなんですけど、メニューにカラー料金と書いてあるものはカットに追加する場合の金額なんです。
例えば…問題です。
カット 5,000円
カットカラー 10,000円
この場合カラーの料金を述べよ。
これが算数であれば10,000-5,000=5,000ですよね。
ただ、美容室の場合は不正解となります。
大体このくらいだと
カット 5,000
カットカラー 10,000
カラー 7,000
ぐらいが多いと思います。
ざっくり説明するとカットと組み合わせるとカットにシャンプーブロー代が含まれているからですね。
こちらは動画で説明しているので時間がある方興味がある方は見てみてください。
美容室あるあるのブロー料金別の謎
マクドナルドでハンバーガーとポテトとドリンクを単品で頼むよりもバリューセットにした方がお得。
あれと同じ認識でOKです。
なので毎回チケットを持っていてもブロー料金は別料金で支払うことになると思います。
まぁ乾かさないでいいならかからないかもですが…それはお店とご相談ですね…いるのかな
まとめ
カラーチケットにはお得で買えるといメリットはあるのですが、よく考えて購入しないとデメリットだらけでいつの間にか損をしていたりもします。
説明を聞いて検討するのは必ず行うようにしましょう。
ただ毎回全力で担当するサービスを受ける対価を毎回払う方が自分の理想の髪を手に入れる可能性が高いのは言うまでもありません。
Legareがチケット制を採用することは今後もないと思います。
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